北海道はフロンティア 気になる閑話

除雪は大変だけど 役にたつ雪

こんにちは!ノアです。
北の国からは
雪の便りが次々と届きます。

昨年は厳冬期の波で
灯台が倒れた話まで
耳にしました。

そんな北国の人たちの
冬の生活をお話します。

 

雪除けをしないと落ち着かない

連日のように
雪が降り続く季節は

家庭訪問をした時に
車をどこに止めようかと
悩みました。

 

公共機関が近くにあると
ちょっと止めさせてもらって
歩いて訪問することも
しばしばだったのですが

訪問の連絡をすると
車が置けるように

必ず雪除けを
しておいてくれる
高齢者の方が
何人もいました。

 

言うまでもなく
歩くだけのスペースを
1本空けておくのと

車が止められる空間を
空けておくのでは
労力が全く違います。

 

雪が何度も溶けたり
降ったりを繰り返すと
雪が固くなったり
凍ったりするので

広いスペースを空けるには
毎日降る雪を
除けなければなりません。

 

もう何十年もそうして
冬を過ごしてきた人たちは

年齢を重ねても
足腰が痛いと言いながら
雪除けを続けていました。

 

 

雪がないと水道管が凍る

珍しく温かい冬は
雪の代わりに
雨が続きますが

このような時は
例年以上に用心します。

 

日中と夕方から朝までと
気温が全く違うからです。

 

まず用心がいるのは
地面が凍っていないか。

 

黒く見える道路は
濡れているだけなのか
表面が凍っているのか。

濡れているだけなのと
凍っているのとでは
ハンドルさばきが
全く違います。

 

凍っている道路で
判断を一つ誤ると

車が簡単に滑ってしまい
ハンドルが
利かなくなってしまいます。

 

そして用心がいるのは
水道管です。

 

古い家は外壁と内壁と
それぞれ板が1枚ずつ。

その間を水道管がむき出しで
とおっていることがあります。

 

通常は積もった雪が
外気と水道管の間を妨げますが

雨が多いと
雪が積もらないので

冷たい風が
板1枚をとおして
水道管を襲います。

 

そうなるともう
あっという間に
水道管は凍結です。

 

ですから油断をすると
日中でも
水が出なくなりました。

 

そうならないようにある人は
わざわざ雪をかき集めてきて

水道管がとおっている壁の前に
積み上げていました。

 

自然を利用する

海岸線に住んでいる
ある高齢者の家を
訪問しました。

 

その年は殊更に雪が多く

 

屋根の雪下ろしを

ボランティアに
お願いする人が
続出しました。

 

その高齢者の家は
100年前に建てた古いもので

床も傾いていたのですが

雪下ろしの相談がないので
心配になっての訪問でした。

 

家の前はいつものように
きれいに雪が除けられて

車が止められる
空間がありました。

 

もしかすると日曜にでも
息子が屋根の雪下ろしに
来てくれたのかと
思ったのですが

車で近くに行くと
思ったほどではないにしても

屋根にはそこそこの量の雪が
積もっていました。

 

ああっ、
やっぱり確認に来て良かった。

 

そう思いながら
玄関で声をかけると
住民のおばあさんが
出てきました。

 

天候も荒れがちで
風雪も激しい冬の訪問者を

その人は大喜びで
迎えてくれました。

 

玄関先だけのつもりが

「入って、入って
コートなんて
脱がなくていいから」

勧められるままに
急いで入りました。

 

玄関でもたもたしていると
冷気が居間に入ってしまうのです。

 

「先週は凄い雪でしたね。
大丈夫でしたか?」

「家にこもってたから。
なんでもないよ。」

「屋根の雪、
おろさないとだめですね。」

 

そう言うとその人は
不思議そうな顔をしました。

 

「雪下ろししないと
家がつぶれる心配が
ありますよね」

私がなおも言うと
そのおばあさんは
やっと合点がいったという顔で

「だめだぁ」
と笑い出しました。

 

「雪なんておろしたら、
浜の風で屋根が飛んじまうべさ」

 

「えっ?」

「屋根の雪なんてなんでもねえよ。
一度もおろしたことねえし」

 

私は衝撃が強すぎて
返す言葉をなくしたのでした。

 

自然の中で生活するということ

屋根の雪がなくなったら
風で屋根が飛んでしまう

このことは私にとっては
かなりのカルチャーショックでした。

 

街から離れた田舎町では
生活環境を良くするために
出来ることと言ったら、

せいぜい海岸に向けて
木の板を貼った壁を立てて

風を少しでも防ぐくらいです。

 

自然には逆らいようがないと
生活の中で学んできた人たちは

何十年と風雪に耐えながらも
自然を利用する
生活の知恵を持っています。

 

私の友人は冬になるといつも
買ってきたビールを
庭に放り出していました。

そのまま天然の冷蔵庫です。

 

鮭や身欠きにしんで作る漬物も
寒いからこそ美味しくできます。

 

風は冷たいですし
大雪の時は雪除けも
重労働ですが

考えてみると
それも結構いい運動でした。

 

そこにある自然を
大変で厄介なものと思うと

自然と共にある生活環境が
際限なく不自由に感じてきます。

 

その不自由さを
解消するエネルギーが

人間の文明を発展させてきたのも
事実かもしれません。

 

さらに考えると不便さは
お金で解決できる
世の中ではあるのですが

不自由さや不便さも
生活の知恵で
利用していけるのなら

それが真の豊かさと
言えるものかもしれない
という気がしてきます。

 

あなたはいかがですか?

 

 

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