気になる閑話 社会は人の支え合いでできている 福祉ってなに?

過疎になっても故郷に生きる人の願いを支えたい

こんにちは! ノアです。
『故郷』という歌。美しいですね。

ウサギを追いかけたり、
小鮒を釣ったり。

今、この歌のような故郷が
消えつつあります。

 

カルチャーショック

20年以上前のことです。

研修で行ったドイツのミュンヘンで
バイエルン州政府幹部の方の
お話を聞く機会がありました。

バイエルン州の歴史や州政府の組織など
とても貴重なお話を聞いたあと、

「何か質問はありませんか?」

と問われて、研修生のひとりが質問しました。

「過疎問題については、
 どのように対応されていますか?」

回答はシンプルでした。

「我々に過疎問題はありません」

質問者も私もほかの研修生も、
そのシンプルな回答が理解できず、
質問が正しく伝わらなかったのかと思った時、

質問者がもう一度

「過疎問題はないのですか?」

と問い返しました。

答えは同じでした。

「過疎問題は存在しません」

そして彼は続けました。

「なぜなら、人が集まれば町ができ、
人が去れば町がなくなるだけのことだからです」

私たち一行は思わず「おおっ!」と
驚きと納得の声をあげました。

民族の大移動をしながら
国を形成したゲルマン民族と

島国で農耕を中心として
国家を形成してきた日本。

歴史と価値観の違いを
まざまざと知らされた瞬間でした。

 

過疎地域とは

日本には『過疎法』と呼ばれる法律があります。

人口の減少率や高齢化率、
財源の減少など法律で基準を決めて
「過疎地域」とみなし、
補助金の率を高くするなど
様々な対策をとっています。

平成29年の国勢調査によると、
過疎地域とみなされた地域の人口は
日本の全人口の8%ですが、

その地域の面積を合わせると
日本全土の半分以上の広さを占めています。

 

過疎地の人たち~私の体験

一人で気ままに車で旅行をした時、
通りかかった集落の集会場の前に、
見事なカボチャが
山積みになっていました。

私はそこの前に車を停めて、
「このカボチャ、売り物ですか?」
と、カボチャの前にいた
おばあさんに聞きました。

「かぼちゃいるんかい?」

「美味しそうなんで」

と答えると彼女は立ち上がり

「かぼちゃ、やるからおいで」
と歩き始めました。

ついていくと集会場の玄関に招かれ

「このお姉さん、かぼちゃ食べるって」

おばあさんが中の誰かに言うなり

「入んなさい。よく来たね!」

中からおじいさんとおばあさんが

出てきました。

さあさあと促されるままに靴を脱ぎ
「こんにちわ」と言いながら
恐る恐る中に入ると
中には20人くらいの人がいました。

若い人でも50歳くらいだったでしょうか。

「ここにすわって」と言われ
事情がよくわからないままに椅子に座ると、
豚汁と割りばしが出てきました。

続いてゆでたてのトウモロコシ、
大きな芋餅!!
勿論、甘辛く煮たカボチャ!!

「今日は収穫祭だから、遠慮なく食べな!」

「トーキビ、朝もいだから、うまいから」

「どこから来たの?」

「豚汁、おかわりあるからね!」

次々と話しかけられ、
出されたものを美味しくいただき、
食べきれなかった分はアルミ箔で包んで
お土産に持たされ、
帰ってきました。

飛び込んだよそ者を
大喜びで迎え入れ、もてなし、
何よりも嬉しそうな顔、顔、顔。

その時のことを思い出すと、

あれは本当にあったことだったのか、
実は夢だったのではないかと

考えてしまいます。

 

過疎に思う

過疎の地で生活を続ける人たちは、

いつの間にか
不便になった地域を受け入れ、

互いに支えあい、
過疎の地で生活し続けることを
選び、望んでいます。

国も各自治体も
過疎地域を支えるのは大変ですが、

地域でも
空き家を無償で貸して
移住を促そうとしたり、

山村留学を受け入れて、
地域に活気を取り戻そうとしたり、

地域の人が一体となってお祭りをしたり、
人を呼ぶための努力をしています。

その地にあって、

その地に生きて、

その地で土に返っていく。

そんなささやかな願いを
いつまでも支援し続ける
優しい社会であってほしいと、
心から願います。

 

 

 

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