介護を知りたい 高齢者の生活 家族にできること

車いすで在宅単身生活準備の高齢者 想定外の展開に

こんにちは!ノアです。

以前よりも確実に弱った状態の
高齢の母を家に帰して

再び一人暮らしを
させようとする娘(私)に

周囲の支援者達は
ハラハラドキドキ

今回はそんな状態の時に

別な形の安心と心配が
生じたというお話です。

こちらの記事は
【高齢者に家族としてできること】
のひとつです。

この前後のお話は こちら からご覧ください。

 

耳を疑った話

私の電話が鳴ったのは
札幌から戻ったばかりの
日曜日の夜でした。

次に札幌に行った時の算段を

あれこれと考えながら
夕食の支度をしていました。

「もしもし」

電話から聞こえてきたのは
聞き慣れた甥の声でした。

1年前に母のレスキューに駆けつけた
彼です。

「どうした?」

「あのさ、札幌にあるマンション、
今、誰もいないんだよね。

そこに住まわせてもらうってできる?

ちょっと訳ありで
今のアパート出ることにして」

「家賃滞納」

「違う」
甥は笑って私に即答しました。

この時は甥の頼みが
どういうことを意味するのか
あまりピンときていませんでした。

「いいけど、

1ヶ月くらいでおばあちやんが帰るから
2人暮らしになるよ」

私はそう口にしてから

『あれっ?』と思いました。

もしかするとこれは、
すご〜くいいこと?

奴はたしかに
おばあちゃん子だったが、

母のちょっと扱いづらい
頑固さもよ〜く知っている。

さあ、甥よどう答える?

そこまで考えて、
私はドキドキしました。

甥はあっさり
「いいよ」と答えました。

「仕事辞めることにしたんだ。
取り敢えず手元のお金で
なんとかしなきゃならないから」

『あらあら』

彼の名誉のためにお話ししますと、
選ばなければ仕事に困らない
国家資格所持の専門職です。

「この際だから思い切って
やりたい方向の専門に
進みたいということで
一回仕事やめた」

「仕事決めるまで、
おばあちゃんの面倒も
ちゃんと見るから」

 

単身生活ではなくなる

この甥は弟妹の面倒もみる
お兄ちゃんです。

掃除は苦手ですが
料理はできます。
介助もできます。

「おばあちゃんの面倒も
ちゃんと見る。」
も本当でしょう。

でも心配がありました。

「条件がある。」

私は両手をあげて歓迎!
の前に言いました。

「なんでしょう」

おっ!デスマス調!
交渉はこちらの優勢?

「掃除すること」

「3日に一度でもいい。
掃除すること」

私はもう一度言いました。
これは大事なことでした。

単身生活ではなくても
ヘルパーサービスを使うのは
まったく問題はありません。

母の入浴介助
母の分の洗濯
母の部屋の掃除は
依頼できます。

浴室も入浴後に
さっと洗ってもらえます。

しかし同居者との
共用スペースである

リビング、トイレ、
玄関などの掃除は
依頼できなくなります。

「はい、やります」

甥は言いましたが

正直あまりあてには
するまいと思いました。

まあ、モップくらいなら
母も扱えるでしょう。

今までと同じように
私が行った時に
不足分は補えばなんとかなります。

「家賃払ってね」
「失業保険が出たら」

内心で失業保険貰う前に
再就職しろよ!

などと思いつつ、

これがどれほど大きなことか
じわじわと実感が湧いてきました。

「私はOKだよ。

おばあちゃんのところ行って
了承貰ってきて」

「明日行って来る」

約束をして甥の電話は
切れました。

 

孫と祖母の同居の問題

翌週に大騒ぎをしながら
甥の引越しを行い

手伝ってくれた
甥の友人を交えて
マンションで
夕食を食べました。

母のペースを乱さないために
友人の出入りは禁止し

甥の友人たちも
それは了解していたので

色々な意味で
細やかなお礼の気持ちの
食卓でした。

週明けの月曜日に
ケアマネジャーに電話で
甥の同居を伝えました。

私はすっかり安心していましたが
彼女は冷静でした。

単身生活の心配はなくなりましたが
ケアマネジャーは違う可能性について
慎重に考えていたのだと思います。

一般的に
孫と高齢者の同居には
難しい問題が潜んでいます。

高齢者の思考や行動と
若い人の思考や行動は
当たり前のことですが違います。

赤ん坊の頃から見ていた孫は
高齢者にとっては
いつまでも子供ですし

一方で孫は成長していますから
もう高齢者が思っている程
子供ではありません。

この辺りのすり合わせが
お互いにできるかどうかという問題、

もう一つは

孫が高齢者の年金を
使い込んだり取り上げたり

高齢者に対する暴力暴言
つまり様々な形の虐待の問題。

勿論私は安心していましたが
身内のひいき目も
皆無ではありません。

このベテランの慎重さも
彼女が信頼できる
ケアマネジャーであることを
証明していました。

 

本人の帰宅準備

事態が変化しつつも

母の帰宅準備は
進みました。

居宅担当のケアマネジャーと
訪問リハビリテーションの担当者が
時間を取って施設に来てくれて

私も同席の上で
施設の担当者とサービス提供の
打ち合わせを行いました。

施設でどの程度のことが
できるようになったのか

家族が帰宅に向けて
行って来た準備と
今後についての希望

居宅支援側から
施設担当者への質問の後

居宅支援で考えている
サービス提供の案の提示

母の実態、家族の希望による
居宅でのサービス案の調整

その後、居宅担当者は母に会いました。

何年も在宅でお世話になっていた
担当者が施設に来てくれて
母も安心したようでした。

訪問リハビリテーションの担当者は
帰宅後のサービスプランを用意するため

母のベットへの移動や
トイレ利用の様子など
動作の確認も行いました。

また施設のリハビリテーション担当者は
母を連れて一度自宅を訪問し

帰宅に向けての
最終的なリハビリテーション調整を
することとし
家庭訪問の日程も決めました。

家庭に帰った後の
提供サービスの案が決まり

確認事項が母の身体状況から
いよいよ生活環境に移ります。

最終的に家庭復帰の
体制が整うまであと少しです。

北国の遅い春も
ようやく落ち着きを見せていました。

 

このお話しは次回に続きます。

この前後のお話は こちら からご覧ください。

 

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