こんにちは!
ノアです
日本には先人にかけられた
呪いが残っていますが
このことを知る人は
あまりいません
今回お話しするのは
暑い夏を涼しくする
怪談とは違いますが
簡単には解けない
呪いのお話しです
この記事のシリーズ
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.1
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.2
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.3
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.4
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.5
いきなり殴られた気分
福祉支援の仕事を
していた頃のことです
外回りから職場に戻ると
上司が来ました
「ノアさんのことで
苦情があってね」
上司が言いました
「昨日先祖代々の土地から
出て行けと言われたって」
「はい?」
私は前日に会った人達を
思い浮かべました
「ウタリ協会のSさんが
怒鳴りこんできた」
私は苦情の主が誰のことか
すぐに理解しましたが
同時に言葉にできないくらいの
衝撃を受けました
「ノアさんがそんなことを
言うことはあり得ないと
説明をしたら
納得して帰ったから」
上司は状況を理解してくれている
ということはわかりましたが
「ありがとうございます」
私はあまりの衝撃に
お礼をいうのがやっとでした
「よくあることだから」
上司はそう言って
自分の席に戻りました
*ウタリ:アイヌ語で仲間のこと
*ウタリ協会:現在の北海道アイヌ協会
通勤できない場所
私は前日のことを
思い浮かべました
ウタリ協会に訴えた
Hさんは
働き盛りの40代
出稼ぎ先で怪我をして失職
福祉の支援を受けていました
知らない土地で怪我をして
一人で大変だったらしく
もう家族と離れて
遠くに行きたくないと言います
ところがHさんの家は
畑地の中の1件家で
集落に行くバスは
朝10時までありません
それも1日に3本
近隣住民のほとんどは
車を持っていて
バスに乗らないのです
帰りのバスも
最終は4時までです
怪我で足を悪くしたHさんは
自転車にも乗れません
仮に自転車に乗れたとしても
冬は雪が積もりお手上げです
つまり仕事が見つかっても
通勤ができないのです
広い北海道でも
人が住んでいて
ここまで不便な土地は
数えるほどしかないでしょう
前日私がHさんに話したのは
働くことを実現するには
仕事を探す前に
通勤できる環境の確保
つまり転居も考えてはどうですか?
という投げかけでした
信頼されるはずがなかった
転居については
もちろん厳しい言い方も
していませんし
強い口調で
話した覚えもありません
ましてや転居を強制するなど
あってはならないことです
私がなぜ転居の提案をしたのか
Hさんは理解していると
信じていたのですが
Hさんには
「先祖代々の土地から
出て行け」
と聞こえていたわけです
この時にはじめて
Hさんとの間には
信頼関係がある
ちゃんと話せば
わかってくれる
そう思っていたのは
自分だけだったと
思い知らされました
呪の力
Hさんと信頼関係がないと
気が付いた私でしたが
どうしてわかってくれないのかと
怒ったり悔しさを感じたり
することはありませんでした
Hさんとの間にある溝は
私がHさんに何かをしたとか
謝ればわかってくれるとか
そんな軽いことではなく
長い間の
差別した側と
差別された側という
負の歴史からの呪い
としか言いようがない
問題だと理解できたからです
残念なことにその頃
私はHさんの生活を
立て直す支援をする側で
Hさんは私に支援される側でした
私にHさんを
差別したり
支配したり
従わせようとしたり
そのような意識があってもなくても
なんの関係もないのが
消えない「呪い」そのものだと
私は無力にも
認めるしかなかったのです
この時私の脳裏に
一目で言葉をなくした
ある光景が浮かんできました
この先は次回の記事に続きます
この記事のシリーズ
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.1
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.2
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.3
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.4
先人の呪い この負の遺産を私たちは越えられるのか vol.5
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