暴れん坊ダックスフント物語 気になる閑話

みんなといたいのにどうしてぼくだけ家族と別々?

こんにちは!ノアです。
暴れん坊ダック!第3話

家族と別々編はじまり、はじまり〜

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初里子

クルトが初めて
里子に出されたのは
生後8か月の時でした。

あまりにも飼い主の
言うことを聞かないので

他所に出されたんだ
と彼が思ったかどうか

多分、理不尽さしか
感じていなかったと思いますが。

彼が行った先は
譲渡先でもなければ
しつけ教室でもなく

今で言うペットホテル。

当時はまだペットホテルがなく
やむを得ず知人宅に
預かっていただいたのです。

年越しの家族温泉旅行のために。

生まれて初めての年越しを
知らないお家で

それもいつもはおこたの中で
ぬくぬくしているのに

玄関のケージの中で過ごした
暴れん坊君。

預かってくれた人に
後で聞いたところでは

持参した家族の匂いがする
毛布にくるまって
身体を丸く曲げ

水も飲まず
ごはんも食べず
じっとしていて

かわいそうだったとのこと。

ところがこのかわいそうな奴

迎えに行った私たちを
見るなり大暴れ

「あらっ、元気なワンちゃんだったのね」

と預り先のおばあちゃんが
びっくりするくらい。

ケージを開けるなり
リードもつけずに飛びだそうとするは

外に出て歩き出すと
早いこと早いこと

しかも口の中で何やら
ぶつぶつ音が....

「ぶつぶつ」文句を言う
という言葉がありますが
本当にぶつぶつぶつぶつ

高台にあった預け先から
転がるように坂をおりながら

ぶつぶつぶつぶつ
ぶつぶつぶつぶつ

(どうやってぶつぶつ音を出していたのか
今も謎です)

 

里子体験2回目

2回目の里子体験は
その数か月後でした。

母の入院と父の転勤が重なり
私と兄は親戚に

クルトはクルトのおとうさん宅に
預けられました。

この時は正味1か月近く
だったかと思います。

おとうさんの飼い主によると

クルトはおとうさんに絡み
不良息子をやってきたのだとか。

しかしそこはやんごとない
お生まれのおとうさん

おっとりとした優しい犬だったので
結構、不良息子の遊び相手を
してやったようです。

クルトがそこそこ楽しく遊んでいた間

私と兄は札幌の親戚に移動し

父は荷物をまとめて転勤し

最後に残ったクルトは
たった一匹でケージに入り

もとい、
きっと大暴れをしながら入れられ

おとうさんの飼い主に見送られて
網走を発ちました。

夕方網走を出て
どこの空の下で一晩を過ごしたのか

翌日の昼に元気に父と再会しました。

父がタクシーを降りるなり
わんわん吠えるクルトの声が聞こえ

駅員さんから聞いた話では
たった今、突然吠え始めたとか。

「さっきまで、毛布の上で丸くなって
時々死んでいないかと
のぞいていたんですよ。

急に吠えるし声も大きいし
何事かとびっくりしました」

だったらしいです。

父に再会して
大はしゃぎのクルトを連れて
父は駅前の食堂へ

一応犬連れで入ってもいいか
食堂の親父さんに聞いたら
ほかに客がいなかったこともあり
二つ返事でOKをくれた親父さん

丹精込めて作ったチャーハンを
犬畜生に分けようと
アルミ箔を頼んだこの客に

欠けた茶碗まで
貸してくれたそうな。

のんびりしたいい時代でした。

 

サプライズ

さて、クルトはクルトで
オホーツク海の網走市から
日本海の街留萌市まで

一匹だけで列車の旅を経て
やっと落ち着いた頃

私と兄は伯母の家から
近くの小学校に通っていました。

毎週末は同じ年頃の従兄弟がいる
伯父宅に行って一泊する生活で

何の不自由もなく
当たり前のように

大人が決めたとおり
そうしていたわけですが

クルトがどうしているのか
だけが気がかりでした。

あんな奴でも可愛い弟分
(奴は私を子分と思っていたふしは
あったにせよ)

遊び相手もいなくて
どうしていることかと
思っていたところ

出没したのです。
ボストンバックから
首だけ出した姿で....

伯父の家の玄関で私は固まり

「ク、クルトだ!」

やっと叫んだあとは大運動会

子ども三人と
広い伯父の家を駆けまわり

でもそこだけは礼儀正しい奴のこと

伯父の書斎に乱入して
世帯主に飛びついて
ご挨拶を済ませあとは

台所に走って行って
おやつまでねだる厚顔ぶり

父の話では
伯父のところに来る前に

奴はボストンバックに入って
入院していた母の病室に忍び込み

ちゃんとお見舞いもしてきたとか。

こういうことをする飼い主って
どーなんだ?

奴は外面だけは良く
妙に利口なところもあったので

不思議と吠えることはなく
お見舞いもばれずに済んだらしいです。

その後、父が仕事をしている間
奴も2日ほど伯母宅に居候。

裏口に置かれた段ボールに入り
家には挙げてもらえなかったのですが

いつものやんちゃぶりを考えると
無駄吠えもしませんでしたし

繋がれていたわけでもないのに
勝手に家に入ることもせず

置いてもらっている自分の立場も
わきまえているようでした。

 

家族の合流

私たち兄妹と母が
新しく住む留萌市に行ったのは
7月の初めでした。

伯父の家に出没し
再びボストンバックに入って
留萌市に帰った奴は

その後も父の出張のために
数回里子に出されました。

同じ留萌市に赴任していた親戚が
快く預かってくれたのですが

そこは遊んでくれる
子どもがいる家でした。

小学生の男の子に遊んでもらい
散歩にも連れて行ってもらって

おぼっちゃまは
ご機嫌だったようです。

何度か預けられるうちに
奴はその家の
用心棒をかって出たらしく

変わったばかりの
新聞配達員に吠え付いて
ビビらせたようでした。

その後、今度は私が
奴と一緒にその家に数日
居候することになったのですが

奴はすでに何度か
お世話になっているその家で

私に先輩風を吹かせたことは
言うまでもありません。

新しい土地での奴と
私たちの生活は始まったばかり

この街での奴の話は
いずれまた。

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