福祉ってなに?

生活保護申請の入口で知っておいてほしい大切なことをお話します

こんにちは!
ノアです

現在は2020年4月です

 

コロナウィルスの恐怖だけではなく
経済的不安を抱えている人も
少なくない状況です

 

そこで選択肢として
浮上するかもしれない
生活保護制度について

大切なことをお話します

この記事で「申請」というのは
「生活保護の申請」と
読んでくださいネ!

 

生活保護の申請を知られたくない

ある人から
生活保護の申請がありました

 

夫婦と子供が二人
(ここでは夫・妻と表現します)

夫がけがをして働けなくなり
医療費が払えないので

医療費だけなんとかしてほしい
ということでした

 

申請を受けてすぐに
病院に医師面談を予約し

本人たちにも
調査の約束をして
病院に行きました

 

はじめに医師に会い
夫のけがはどの程度で

どのくらいの期間
入院することになるのか
話を聞いてから

夫の病室に行きました

 

夫と一緒に妻も待っていました

 

幸いなことに同室者もなく

たがいに挨拶をした後
「お加減はいかがですか?」
と話しをはじめました

 

けがをした様子や
現在の自覚症状を聞いて

 

「今、主治医にお会いして
入院予定は2か月程度だと
確認して来ました」

私が言うとはじめはキョトン
とした夫婦の顔

 

そして妻の顔が
みるみる険しくなりました

 

「どうして
そんなことをするのですか?」

私は言われたことが
理解できませんでした

 

 

「勝手に先生に会うなんて」

「勝手にではないですよ

申請時に調査同意書に
サインしましたよね

 

窓口で調査について
説明されたはずです」

 

「そんなの必要だと言われたら
書くじゃないですか」

私は内心でこの人は
何を言っているのかと思いました

 

妻はなおも続けました
「生活保護を申請したなんて
恥ずかしいことを
勝手に病院に知らせて」

私はやっと事態を飲み込みました

 

お役所は冷たい?

「医療費が必要なのに
申請のことを病院に隠すのは
不可能ですよ

まして本人が痛いから
1か月入院しますと言って

医師の話も聞かずに

では1か月分の医療費を出します
と言うことはできないですし」

 

「本当にお役所は冷たいですね
もういいです帰ってください」

 

帰ってくれって…

「生活は大丈夫ですか?」

「あなたの世話にはなりません!」

 

興奮している妻に
話を続けるのは無理だなと
判断しました

 

「わかりました。
ではまたいつでも
相談してください

お大事にどうぞ」

 

病室を出て
ナースステーションに寄り
顔見知りの看護婦長(当時)に
状況を伝えました

 

「仕事中のけがのようなので

労災の対象になる可能性が
高いと思います

 

取り敢えず病院代は

職場に相談するように
本人に伝えてください」

 

とお願いして
病院を後にしました

 

託されたお金

みなさんはこの話を
どう思ったでしょう

 

生活保護を申請すると

生活困難になった
原因の調査確認

この場合は夫のけがについて
確認することは不可欠です

 

もちろん関係ない人に
申請について話すことは
あってはならないことですし

 

不必要に申請のことや
受給中について
言うこともしません

 

そのようなことがあったら
大問題ですが

どうしても
調査しなければならない関係者に

申請のことを知られないで
生活保護を受けることは
不可能です

 

行政はどの仕事も同じですが

みなさんから託された
大切な税金を

不明瞭なことに使ったり
いい加減に使うことは
できません

 

生活保護を申請すると
この人に支出するのが
適切かどうか

確認が必要になるのです

 

私の父は教員でしたが
一時期は教育局に籍を置き
行政機関で課長の仕事をしました

 

私が行政で働くことになり
父が最初に言ったのが

「行政の仕事は
住民から託されたお金を

いかに適切に使うか
そこにつきると思う」
ということでした

 

これは行政にかかわるうえで
とても大切な視点だと思います

 

現場にいた時はもちろん
住民の立場になっても
忘れたくないことです

 

ですから生活保護を
申請するということは

この人にお金を支給することは
託されている税金の使い道として
適切なことなのか

という判断をされる対象になる
ということなのです

 

 

誤解しないで

ここで誤解がないように
お話ししておきます

生活保護を申請したり
受けることは

恥じることではありません

 

このことについては
個々人の価値観も
あるかもしれませんが

 

生活保護を申請する時に
誰にも知られたくないとか
生活を変えたくないとか

もしそう思うなら

その人はまだ
生活保護がなくても
なんとかなる人だと
私は思います

 

違う言い方をすると

そのように見栄を張ったり
生活を変えないことを
考える余裕があるのなら

生活保護ではない
別な方法を模索
することをおすすめします

 

自分でできることは
全部やったけれど
どうにもならない状態の時

恥じる必要はありません

 

そういう時のための

生活保護です

 

 

制度を上手に使う

生活保護は
ずっと受け続ける

という性格のものでは
ありません

 

食べていくにも
どうにもならない状況から

生活を立て直すために
利用する制度です

 

想像してみてください
食べる物が買えないほど
お金がない状態

 

左手に何かを握ったまま
右手で生活保護をつかむ

という状態ではないことが
よくわかると思います

 

なりふり構っていられない

そこから生活を立て直すにも
なにをどうしたらいいのか
わからない

 

その時は
福祉事務所を活用してください

 

行政の担当者は
助言をしたり情報を提供したり
生活立て直しの

支援をするためにいます

 

 

先にお話しした妻は
2か月後に子供と3人で
再度の申請をしました

 

「お金のことでもめて」
離婚していましたが

それ以上の情報は
不要だったので
聞きませんでした

 

何もいらないと
言ったのですが

「砂糖もなくて」と言って
スプーンに半分しか
残っていなかった粉で

あたたかいコーヒーを
入れてくれました

 

このような精一杯のおもてなしが
どれほど私の仕事を

支えてくれていたかは
語りつくせません

 

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