社会は人の支え合いでできている

本音で言い合って手にしたものは

こんにちは!ノアです。
【言い合う】と聞くと
みなさんは何を思い浮かべますか?

言い争い?
勝ち負け?

あまりいい印象が
浮かびません。

でも本音をぶつけ合う
ことで心が通じたと感じた
経験ありませんか?

 

受付に寄らない患者

私が某大学病院の精神科で
受付窓口にいた時のことですから、

30年以上前のことです。

 

そこは入院のための分院で
精神科の医局もありました。

 

医師は交代で外来を担当し
決まった曜日に本院に行っていました。

 

ですから外来受診の患者は
あまり来ることがなかったのですが

時々、主治医が外来ではない時に
主治医とお話したい人や

どうしても主治医の外来の時に
行けない人が来ていました。

 

そこに勤務して半年くらい過ぎた頃、
私はあることに気が付いてしまいました。

私がいた窓口は玄関の正面にあり
玄関の出入りは全部見えたのですが

窓口で受付をしないで
奥に入っていく外来患者がいるのです。

 

そしてその後は決まって
医局助手が事務に現れ

カルテが入った引き出しから
誰かのカルテを持って行くのです。

 

さらにその患者は帰りも受付に寄らず
玄関からそそくさと出て行くのでした。

 

 

医局助手との言い争い

ある日私はカルテを戻しに来た
医局助手に声をかけました。

「患者さん、
ドクターに会っていきましたよね」

医局助手は受付の姉ちゃんが
なにを言い出すのかという感じで
キョトンとした顔をしました。

 

「再診ですよね?
受付も来ていないですし
支払いもしていませんが」

「あの人は良いの。」
医局助手はあっさりと言いました。

 

「良いというのは
どういう意味ですか?」

 

問い返した時に
私は出来るだけ冷静に話そうと
意識していたと思います。

つまり私は
不正を許していいのだと

なんの根拠もなく
言ってしまえる医療助手に

この時にはもう
腹を立てていたのです。

 

「先生と話しに来ただけだから」

「それ、再診ですよね?
再診料がかかりますけど」

 

医局助手は
当たり前にしていた扱いを
否定されたことで
たちまち怒りをあらわにしました。

「うちはほかの科と違うのよ!」

「どう違うのですか?」
私も声が荒くなったと思います。

 

「患者さんは、
必要があって来ているの!」

「それはほかの科の
患者さんも同じです!」

「精神科なのよ!」

「でも、××医科大学の精神科ですよね?」

医局助手は口をつぐみました。

 

「精神科だから
再診料はかからないなんてルール
うちの大学にはなかったと思いますが」

私はさらに追い打ちをかけました。

 

医局助手は返す言葉がなく
私をにらみつけています。

 

そこにいた私の上司も先輩も
私と医局助手の勢いに
息を飲んで何も言いませんでした。

 

相手がその時に何を思っていたのか
私にはわからないのですが

やがて彼女は私から視線をはずすと
黙って出て行きました。

 

 

ことの顛末

勝ったとか負けたとか
そんなことはどうでも良かったのです。

 

医局助手が患者のことを考えて
善意でそうしていたことは
私にもわかっていました。

でも動かせないルールがあるなら
そのルールの中でサービスを
利用してもらうのが大切だと
私は信じていた、
それだけのことです。

 

不思議なのは
そこそこ激しく言い争っていたのですが

その途中でふっと
彼女が私の言っていることを理解し
私も彼女の思いを理解できたような
気がした瞬間があったことです。

 

この後、私は医局助手との関係が
どうなるか少し用心していました。

 

はじめは互いに少し
ぎくしゃくしました。

でもこのぎくしゃくがあって
私は確信しました。

気のせいではなく
彼女も私と同じで

あの言い争いの時に
何か通じるものを感じたことを。

 

このことがあってから
医局助手の私に対する態度は
以前よりも柔らかくなりましたし

彼女は受付を素通りした患者を
受付に連れてくるようになりました。

 

残念ながら彼女はその後
家庭の事情で退職したのですが

今も思うのは
もっと話ができたら
とても分かり合える人
だったのではないかと
いうことです。

 

本音で話し合うということ

日本は建前と本音の文化が
ある国だと言われます。

 

全体の和を考えると
言葉を飲み込んだり

相手を傷つけたくなくて
言わずに我慢したり。

 

一方ではみんなが
和を乱さないために
言わずにいたことが

ものごとを誤った方向に
どんどん運んで行ったり

 

我慢したことが
貯めきれなくなって
爆発した結果

我慢しないで言ってしまった方が
冷静な話し合いが
できたかもしれなかったり。

 

なかったことにならない事実が

隠そうとしたり
抑え込もうとしたことで

より悪い結果を招くというのも
よくある話です。

 

先の医局助手とのやり取りも
誰も何も言わないので
はじめは私も黙っていました。

しかしどう考えてもおかしい
という気落ちが募り

医局助手を感情的に問い詰める
という行動を生み出しました。

 

幸いなことに
本音でぶつかって
理解し合うという
いい結果を生み出せましたが

何かおかしいという気持ちを
貯めこまずに話していたら

もっと別な理解の仕方が
できたかもしれないとも
思うのです。

 

本音で話すというのは、

相手のことを
ある程度知っていても

話題によっては
どういう反応があるか
わからないことがあるので

勇気がいることがあります。

 

話すタイミングと
話すために使う言葉を
ちゃんと選んで

言い争いではなく
本音で語り合い
理解しあえたら

きっとより良い次への
一歩になります。

 

不満を貯め込む前に
踏み出す勇気が
欲しいですね。

 

 

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