社会は人の支え合いでできている 福祉ってなに?

逆境にある子どもたちが未来を切り開く力をつけるために何ができる?

こんにちは!
ノアです

 

子どもの進学
今は様々な選択肢があります

 

しかし残念ながら
自由な選択肢ではありません

 

経済的な理由で
進学できなかったり

場合によっては
せっかく入学したのに
家庭の事情で
退学しなけばならなくなったり

 

なかには誤解がもとで
やめてしまった子も…

 

食べていけない

現在は高校進学の経費を
生活保護で支給しています

 

これは数十年前の
お話しです

 

その母子家庭には

高校生が2人
中学生が1人
小学5年生が1人の

4人の男の子がいました

 

全員が見事に食べ盛り

 

はじめて訪問した時に
お母さんの収入は
月に10万円程度

 

「家賃と光熱費と食事

どうやって
やり繰りしてきたのですか?」

 

お母さんに聞くと

「家では私と
下の二人しか食事しないんで」
という答え

 

「あと三男は知人のところで
新聞配達をしていて

そのバイト代から
1~2万円は私にくれます」

 

「上の二人は?
お小遣いを渡して
いるのですか?」

 

「とんでもない!
渡すお金なんてないです

上の子たちは
どうしているのか
聞いたことはありません」

 

家で食事をしない?

お小遣いもあげていない?

 

「学費は奨学金で?」

 

「多分そうだと思います
色々と大変で
よくわからないんです」

 

「今度私が来るまで

普段の食事をどうしているのか
学費はどうしているのか

お兄ちゃんたちに
聞いておいてください」

 

この家の長男と次男は
成績がいいらしく

その地域では一番の進学校の
生徒でした

 

高校は義務教育ではないので

学費などをどう賄っているのか
キチンと整理をして

 

学生でいることを
認められるように

明確にしておかなければ
ならなかったのです

 

 

子どもたちの実態

次に家庭訪問をした時

長男と次男は
コンビニなどで
アルバイトをしていると
お母さんから話がありました

 

月のバイト代も
収入の予定額がわかり

 

生活保護制度の
扱いを書いた紙を

お兄ちゃんたちにも
必ず確認してもらうように
お母さんに話して

注意書きを預けました

 

 

長男と次男には
会えなかったのですが

 

その後は
三男の新聞配達で
もらったお金と併せて

毎月バイト収入の報告が
されていました

 

学校の勉強をしながら
アルバイト収入で食べ

 

お母さんと弟が
困らないように

生活保護の届も
多少の遅れがあっても
ちゃんと出してくる

 

なかなかしっかりした
子どもたちだな
という印象でした

 

ところが

大きな落とし穴が
あったのです

 

とめられなかった

その連絡は突然でした

 

お母さんから
次男が退学したと
連絡があったのです

 

どうしてそんなことに
なったのか

これからどうするつもりなのか

 

本人の話を聞きたかったので

お母さんには
訪問する日時を伝え

次男も同席してもらうように
話しました

 

ところが約束の日に
私は次男に会えませんでした

 

お母さんの話によると

家から出て生活すると言って
仕事を探しに行った
ということでした

 

「どうして退学したのですか?」
話はそこからはじまりました

 

「アルバイトがばれて
先生に怒られたのが
原因らしいです」

 

「学校にはバイトの届けを
していなかったのですか?」

 

「届はしていたのですが
届けのバイトのほかに
居酒屋でバイトをしたんです」

 

「(17歳で)居酒屋?」

 

「短期の予定で
バイト代が高いからと
言っていました」

 

「なにか急に
お金が必要だったとか?」

 

「修学旅行の
旅費を稼ごうとしたらしいです」

私は言葉をなくしました

 

「先生は理由も聞かないで
怒ったらしくて」

「それで退学処分?」

 

「本人が退学届けを
出してきたようです」

 

「先生にはバイトの理由を
言わなかったのですか?」

 

「話しても仕方ないと
思ったと言っていました」

 

すべてお母さんから
聞いた話だけです

 

次男とその先生の
関係性も知りません

 

ただその先生を
次男が信頼していたら

そんなことにはならなかった
のではないか

 

あるいは先生が
次男の家庭の事情に少しでも
思いを巡らせてくれたら

理由も聞かずに
いきなり糾弾する
という行動には
出なかったのではないか

 

そう思う一方で
最悪の事態になる前に

何が起きているか
知ることができたら

自分に何かできただろうか
とも思いました

 

会ったこともない
17歳の少年に
初対面で信頼してもらえたとも
思えなかったのですが

 

その時にはどうしてもっと早くに
彼に会って

関係性を築いておけなかったのか

という湧き上がる後悔を
どうすることもできなかったのです

 

若者の選択

その後お母さんから

 

色々な資格も取れるし
生活の心配もいらないと

彼は自分で決めて
自衛隊に入ったと
連絡がありました

 

その賢明さに驚き安堵すると同時に
彼のこれからの幸いを
祈らずにはいられませんでした

 

今考えると彼の強さは

どんな状態でも
自分にはできることがあると
信じる強さだったのではないか

と思うのです

 

残念ながら
彼のような逞しさのある子どもは
貧困家庭ではまれです

 

多くの子どもたちが

経済的な困窮の中で

早くに自分に見切りを付け

様々なことを
諦めてしまうのです

 

あるがままの環境に
ただ左右されて

選択肢を知らない
子どもたちと

 

彼らの勇気を育てられない
今の日本社会

 

子どもの貧困
という言葉を見聞きする昨今

バイトをするといい
奨学金を借りたらいい

言うのは簡単です

 

でもそれらを選択する
勇気すら持てない
子供たちがいることを

なにが彼らの勇気を
奪っているのかを

 

事実として
真剣にとらえないと

この国は子どもという大切な宝を
どんどん失っていくばかりだと
思うのですが

みなさんはどう思いますか?

 

この記事を読んで

こんなことが本当にあるのか?

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