こんにちは!
ノアです
例えばみなさんは
どんな地域に住んでいますか?
車の運転はしますか?
自分の車を持っていますか?
生活するお金が
どんどんなくなっていくとしたら
その車を手放しますか?
あるお母さんの話
ある人が生活相談の
窓口に来ました
お母さんと
二人の子どもの
母子世帯
と言っても
二人の子どものうち長男は
すでに成人していますから
子どもにはならないのですが
もう一人の子ども
長女は高校生でした
お母さんが工場で
働いていますが
長男は無職で
アルバイトもしていません
話を聞く限りでは
かなりの困窮状態のようでした
通常でしたら
生活保護の申請をしてもらい
開始調査をするところですが
問題が一つありました
それは長男の車
お母さんが
お小遣いを渡し
乗り回しているとか
「車は認められませんよ」
窓口の担当者が言いました
「でも子どもは
絶対に処分しないと
言うんです
お金がなくて
本当に困っています
助けてもらえませんか?」
窓口では
長男によるDVの
可能性はないかも
探りながら
話を聞きました
お母さんの口ぶり
話す時の様子からも
DVはないと判断されたので
生活や車のことについて
長男とよく話し合うように伝え
帰ってもらいました
いくつかの課題
この家庭に
複数の課題があることは
すぐにわかると思います
お母さんが
成人した長男を
「子ども」と呼び
生活に困窮しながら
長男にお小遣いを与えること
長男と生活について
真剣に話し合った様子が
認められないこと
「絶対に車は処分しない」
と言っているらしい
長男の幼さ
お母さんの話では
高校生の長女の姿が
見えないこと
生活保護は
お金がなくて
生活ができなければ
受けられる制度です
そういう意味では
このケースについても
生活保護の申請が可能です
では窓口の担当者が
生活や車について
長男ともう一度話し合うように
と一見冷たいともとれる
対応をしたのは何故でしょう
保護の申請の前に
それはまだあなたに
できることですよ
という意味合いからでした
生活保護はこのように
自分でできるだけのことをして
それでも生活できない人が
利用できる制度です
お母さんにとっては
長男に車を処分させる
あるいは
自分から
可愛い長男を
突き放すことは
難しいことなのかも
しれません
でもそれは
お母さんにしか
できないことなのです
お母さんには
そのことに気が付いてもらう
必要がありました
望まれること
このままでは
生活ができないことを
長男とキチンと向き合って
話し合った結果
もし長男が働きはじめたら
それだけでほとんどの問題は
解決が望めます
あるいは長男が
お母さんの態度が
変わることで
何かを学び
家を出て独立したら
お母さんと長女は
今ある収入で
生活ができるかもしれないのです
次の段階
長男と話し合っても
何も解決できなくて
生活保護の申請が
あったとしたら
どうなるでしょう
生活しているのは
お母さんと長男と長女です
お母さんが働いた収入と
母子家庭の手当てなどで
3人の生活ができるのかどうか
生活保護の基準額を基に
審査をします
この時に預貯金残高も確認します
お父さんが死別の場合
遺族年金がないのかも
大事な情報ですし
長男に会って
働かない理由や
車を処分しない理由も
確認します
これといった理由もなく
生活保護制度について
説明をしても
車の処分を拒んだり
求職する意思が見られない時は
お母さんと長女だけで
今ある収入で
生活が可能かどうか
審査することもあります
そうすると
三人で生活して
車を維持できるだけの
収入がある
という事実がありますから
生活保護は必要ない
という結果になる
可能性もあります
生活保護の審査を受け
担当者が具体的な助言をして
お母さんに
自分たちでできることを
確認してもらうことで
長男に頑張ってもらえば
生活していけることを
客観的に見てもらえるかも
しれないのです
車の保有
生活保護を受けていて
車を所有できるのか
あるいは
車を持っていて
生活保護は受けられるのか
この問題は
よく話題になります
生活保護の場合
車の保有や
車を運転することは
基本的に認められません
どうしてかというと
生活維持ができない状況で
万が一でも事故をおこした時
責任を取ることができないからです
自動車保険がある
と言う人がいます
生活保護費には
自動車保険にかけるお金は
入っていませんから
生活保護費から
自動車保険の掛け金を
払うことは認められません
ましてや
自分は事故をおこさないから
大丈夫という主張は
絶対に認められません
そのほかの問題として
維持費のことがあります
車にかかる経費は
ガソリン代だけではありません
車検代と税金
オイル交換などの
メンテナンス
環境によっては駐車場代
これらを月額にすると
幾らになるでしょう
ちゃんと計算をすると
車を所持するより
週に1回タクシーを使った方が
ずっと安くなることもあり得ます
車は所有するだけで
お金がかかるのです
仕事で車の運転が必須だったり
車いすの子どもを
毎日学校に送迎するなど
客観的に見て
どうしても車がなければならない
事実が証明される場合
車の維持運営費が
身内からの援助など
生活保護費以外のお金で賄われ
決められた用途以外には
使わないという条件付きで
保有が認められることもありますが
単に住んでいるところの
バスの本数が少なくて不便とか
仕事を探しに行くのに大変
程度の理由では
運転すら認められません
どうしても必要で
条件も満たせる
と思うのでしたら
担当者に相談する
必要があります
何が適切なのか
私が現場にいた時
いつも気になっていた
ことがありました
それは
この制度は
本当に必要とする人に
行き届いているのか
ということでした
不正受給という言葉があり
世間の目は
「生活保護を受けて
ただ働かないでぶらぶらしている」
ということに向けられます
それもあってはならないこと
なのですが
もっとあってはならないのは
生活保護を必要としているのに
受けていない人がいる
ということです
このブログ内の記事について
『記事に「........」と書いてあるけど、
このことをもう少し詳しく知りたい。』
『こういう時はどこに相談に
行ったらいいの?』
などの質問やコメントなど
お気軽にどうぞ。
質問等については
こちら を利用できます。
また質問の時は
自分のこと
家族のこと
友人知人のこと
福祉の勉強中
など
併せて教えてもらえると
より適切な答えができます。
個人情報については
こちらからの回答のため以外に
第三者に提供することは
ありませんので
安心してご連絡ください。
ノアのおすすめ記事