こんにちは!ノアです。
みなさんは
『急性期病棟』
『回復期病棟』
『慢性期病棟』という言葉、
聞いたことがありますか?
これは一般的な入院病棟の
区分けですが、
特に65歳以上の人にとって
この違いは
大きな意味があります。
高齢者の入院はリスクがある
急性期病棟とは
病気になり始めた時
最初に入院する病棟です。
病気になり始めの時は
年齢を問わず
症状が急激に悪化する
などの心配があり
そのような事態に対して
病院側でも備えています。
特に高齢者の場合は
元の病気が落ち着いても
食べ物や飲み物が
誤って気管に入ったりすると
それが原因で肺炎になったり
免疫力が落ちているために
どこかの炎症が原因で
急に高熱を出すなど
若い人よりも
急変するリスクも高いので
注意が必要です。
脳梗塞や脳内出血
骨折などでも
最初は急性期病棟に
入院するのが一般的です。
急性期病棟は
目的が病気の急変に備えることと
治療をすることです。
ですから病状が落ち着いた後は
退院することになります。
しかし、特に高齢者は
入院してベット上で
安静にしていると
足腰が弱ることから
すぐに家に帰っても
転ぶ心配があったり
手を伸ばして
高いところの食器が
取れなかったり
少し動くと
すぐに休みたくなるなど
日常生活に戻るために
リハビリテーションを
する必要がでてくるのです。
リハビリテーションをして家に帰る
急性期を過ぎると
病状は安定しますが
まだ医学的に
退院する状態ではなかったり
訓練をして手足の筋力を
しっかりとつけたり
する必要があります。
この期間は
理学療法士や
作業療法士、言語聴覚士など
リハビリテーションの
スタッフの関りだけではなく
看護師もトイレに行ったり
入浴したりという
日常生活に戻るための
リハビリテーションを
支援します。
医学的な管理をしながら
リハビリテーションを行うのが
回復期病棟です。
回復期病棟に移るには
最初に急性期病棟に入院して
どれだけの期間が
経っているかということが
問題になってきます。
それももとの入院の原因が
どういう病気かによって
急性期病棟から
回復期病棟に
移れる期間が違います。
例えば骨盤やひざ関節など
骨折が原因で入院した時、
1か月を越えてしまうと
リハビリテーションをする
回復期病棟には
移れなくなってしまいます。
脳内出血など脳血管の
病気が原因の時には
2か月を過ぎると
回復のためのしっかりした
リハビリテーションの
機会はなくなります。
ですから入院して
ある程度の期間が経つと
本人や家族は
家に帰るのか
施設に行くのか等の
選択をする必要が
出てきます。
病院の相談員が
ちゃんと情報を提供して
相談にのってくれるのであれば
いいのですが
このリハビリテーションの
機会について
本人も家族も知らないままだと
退院と同時に施設に行く
という選択肢しか
なくなることもあります。
社会的入院って知ってますか?
社会的入院という言葉を
聞いたことがありますか?
病状が慢性期で
ある程度外来でも
病気の管理ができる
状態にもかかわらず
単身生活で
家での生活が不安
などの理由で
いつまでも入院している
高齢者がかつては随分いました。
国はこのような人たちを
入院以外の方法で
支援することを考え
高齢者の医療制度を整理し
病院から施設を経て
施設で家に帰るための訓練をする
老人保健施設を作り
介護保険の制度を
作ってきたわけです。
回復期病棟に移る機会を
なくしてしまった高齢者は
慢性期病棟や
高齢者の施設の扱いとなり
病院に施設入所や
家に帰ることを
求められるわけです。
ある程度の期間入院したあと
「これからどうしますか?」
と病院に聞かれたら
本人や家族に
覚えておいていただきたいのは
回復期で
リハビリテーションを
しっかりすることができたら
病気になる前の生活に
戻れる可能性が
かなり高いということです。
施設を選択するのは
リハビリテーションの結果を
見てからでも遅くないので
まずはリハビリテーションを
相談してみてください。
場合によっては
専門病院に転院となりますが
移れる期間内であれば
回復期病棟に移ることを
おすすめします。
最終的に施設を選ぶことになっても
車椅子でしか移動できないのと
歩行器で移動できるのとでは
行動が全く違ってきます。
もうひとつ大切なのは
リハビリテーションは
専門家にやってもらうものではなく
自分でやるものだということです。
考えてみてください。
毎日ベットに横になって
1か月や2か月。
それだけの時間をかけて
落ちてしまった手足の働きが
一日3時間の専門家による訓練だけで
元に戻ると思いますか?
帰ろうとする気持ちで
ベットに横になってばかりではなく
少しでも座っていようとしたり
(そう、入院生活が長いと
ただ座っているだけでも
大変になります)
家族が面会した時に
看護師さんに相談して
一緒に廊下を散歩したり。
このような積み重ねが
回復を促します。
仮に本人が今のままで
動けなくてもいい
と思ったとしても
今のままは難しいでしょう。
なぜなら体の機能は
使わなければ落ちて行くからです。
少しでも生活の質を
維持していくのであれば
諦めないで
リハビリテーションを
続けることが重要です。
このようにお話しても
ちょっと現実味に
欠けるかもしれませんね。
では次回は
寝たきりから
リハビリテーション、
施設入所を経て
家庭に帰った人のことを
お話します。
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