旅も色々 楽しみ方も色々 毎日素敵に満ちている 気になる閑話 社会は人の支え合いでできている

また行きたいと思う接客のサービスってどんなもの?

こんにちは!ノアです。

わくわくして出かけた旅

楽しい思い出に
したいですよね。

 

ひとり旅のはじまり

若い頃のことです。

 

憧れのP温泉と
X温泉に一人で行きました。

 

東京から列車に乗り換え、
途中からバスに乗り。

 

いずれも泉質がいいことで
有名な温泉地で、

朝からウキウキしていました。

 

P温泉で

P温泉は職場の福利厚生で
補助が出るホテルを見つけ、
予約していました。

 

予定どおりホテルにチエックイン。

 

良質な温泉を
ゆっくりと楽しみ、

スッキリした気分で
夕食を食べにレストランへ。

 

私の一足先に
レストランに入った一行が、
席に案内されていきました。

 

スタッフが受付に戻って
来るのを
しばらく待ったのですが、
誰も来ません。

 

前の一行の連れと
勘違いされたかと思い、

通りかかったスタッフに
声をかけたのですが、

こちらをチラ見して通過。

 

あれ?聞こえなかった?

次は少し声を大きくして
再トライ。

 

今度は見てもくれません。

 

感じが悪いなとは思ったのですが、
忙しいのかなと考え直して、

自分で窓際にある
二人掛けのテーブルに
行って座りました。

 

もちろん、
そこの席には
案内された人は誰もいないし、

予約席の提示もないことを
確認した上でのことです。

 

するとソッコー、
レストランのスタッフが
来ました。

 

さっきチラ見して
通過して行った一人でした。

「そこの席に座らないでください」

乱暴な口調で
そんなことを言われました。

 

「受付で、
何度あなたたちに声をかけても、

案内してくれないから、
自分で座っただけですけど」

むっとして言い返したのですが無視。

 

「あちらに座ってください。」

問答無用という感じで
入り口に一番近い
二人掛けのテーブルを
示されました。

 

席までついて案内する気も
さらさらなさそうでした。

 

仕方がないので席を移動。

料理を頼もうと
スタッフに声をかけましたが、

忙しそうに

「少々お待ちください」

と言われ、

待ってもそのまま放置。

 

そばを通ったスタッフの腕を
つかむようにして呼び止め、

やっと
食事を頼みました。

 

バイキングになっているサラダを
食べていると

メイン料理はスムーズに来ましたが、

砂を噛むような食事というのは、
本当にこういう食事を言うのだなと
思いました。

 

一人のテーブルは私だけ。

他のテーブルの人たちは、
美味しそうに食事をして、
歓談しています。

 

一人で来た私が
間違っていたのか?

 

でも、ホテルでは

「もちろんお一人でも
お泊りいただけます。」

と予約を受けたのに。

 

そんなことを考えていると
悲しくなってきました。

 

さっさと食べる物を食べて
部屋に戻ろうと思い、

料理についている
デザートを待ちましたが、
来る気配がありません。

 

気が重かったのですが、
再々再度スタッフにアタック!

 

変わらず透明人間のような扱いぶりに
私はとうとう

「いい加減にしてください!」

と叫んでいました。

 

よほど大きな声だったのでしょうか。
歓談していた他のお客さんが、

ギョッとしたように
こちらを見たのが、
視界の端に入ってきました。

 

責任者らしい男性が、
慌てて飛んで来ました。

 

「ここの受付段階から、

何度スタッフに声をかけても素通り。
こちらを見ながら無視。

仕方なく自分で席に着いたら
移動させられ、
注文もできない!」

 

悲しみと、
惨めさと、

怒りとがない混ざりながら、
そんなことを
喚きたてたと思います。

 

その男性は
「申し訳ありません」
と謝罪しましたが、

すっかり感情が高ぶってしまった私には、

謝罪の言葉など
ただ白々しく
聞こえるだけでしたし

 

「デザートですね。
すぐお持ちします」

と言われて五分もしないうちに
デザートが来ましたが、

もう食べる気持ちには
なれませんでした。

 

「当店自慢のアイスクリームは
ご自由にいただけますので」

同じ男性がそう言いましたが

「もう、結構ですから」

そう告げて
私は席を立ちました。

 

部屋に戻って一人になると、
悲しくて悔しくて、

気持ちを落ち着かせるのに
ベットに横になりました。

 

電話が鳴りました。

しばらく鳴っていましたが
何を言われても受け付けられない
自分がわかっていたので
出ませんでした。

 

電話はしばらく鳴っていましたが、
やがて切れました。

 

翌日の朝食も
同じレストランでしたが、

朝ごはんは食べずに
そのホテルの
チエックアウトをしました。

 

 

X温泉で

X温泉に向かう途中の街で
ファミレスに入って朝ごはんを食べ、

気を取り直して次のX温泉へ。

 

その日の宿は旅館でした。

 

予約の時に
一人でも泊めてもらえるか
確認したところ、

電話の向こうの男の人は
ちょっと考え

「観光シーズンではないので、
お泊りいただきましょう」
と言ってくれました。

 

料金も単身だと
割高になると覚悟していたのですが、
通常料金でいいと言われました。

 

前日のことがあったので、

どんな待遇をされるかと
少し身構えていたのですが、

 

帳場の前にいた高齢の男性が、
私が玄関に入る前に出てきて、

「いらっしゃいませ」

とカバンを持ってくれました。

 

帳場で書いた
私の住所を見たその人は

「北海道からですか?」と

驚いたように言うと

 

「遠くからこんなところまで
 来ていただいて
 ありがとうございます。」

丁寧に頭を下げてくれたのです。

 

良かった。
今度は大丈夫そうだと
芯からホッとしました。

 

古い宿で、
エレベーターのない3階でした。

 

2階は団体さんらしく
少し賑やかだったのですが、

案内されたのは
3階の角にある
こじんまりとした部屋で、

両サイドは
どうやら布団置場のようでした。

 

炬燵には可愛い
キルティングの炬燵布団がかけられ、

ちょっとした飾り物など
部屋の隅々にまで
若い女性に
一人旅を楽しんでほしい
という心使いが感じられました。

 

感じのいい女性が
炬燵に並べてくれた夕食も
素朴なお料理でしたが

「ゆっくりと食べてください。」

と言っていただき、
安心して食べることができました。

 

食事の後は布団を敷いてから、

「サービスです」

と柿と梨の剥いたのを
届けてくれました。

 

「何か不安なことがあったら、
いつでもお電話をください」
とまで言っていただきました。

 

その夜は熟睡できたことは
言うまでもありません。

 

チエックアウトの時も、

「遠方ですから、
どうぞお気をつけて
お帰りください」

と暖かい言葉で見送ってくれました。

 

サービスを提供するということ

この旅の初日と
2日目の極端な違いは、
一体なんだったのかと、

今になって思い返すと
不思議な気がします。

 

仏滅と大安
だったのでしょうか?

 

初日のような扱いを
受けたのも初めてなら、

2日目のような
心配りをしてもらったのも
初めてでした。

 

その後も色々なところに
旅行をしていますが、

あの旅以降、
それぞれに似たような体験も
していない気がします。

 

あの旅ほど、
宿の対応が印象に残った旅は
なかったくらいです。

 

P温泉のホテルのレストランは、
スタッフが慌ただしそうでしたし、

事実、人手が足りていなかったのかも
しれません。

 

でも当たり前のこととして、

サービスを提供される側にとっては、
そんな事は関係ないことです。

 

サービスを受けるために
お金を払っているのですから、

サービス提供が必要最低限でも
できない状態なのであれば、

キャパを超えて
予約を受けてはいけないと思います。

 

X温泉の旅館は施設が古くても、

トイレが共同でも、

マンパワーでそれを補う
努力をしていましたし、

とても快適でした。

 

口コミなどを調べてみると、
今もサービスの評価が高いようです。

 

現在、私は接客業をしているのですが、
この時の旅行を思い出すと、

今、取り組まなければならない事は
何かということを
考えてしまいます。

 

色々なお店がありますが、
感じが良さそうだなと思っていたら、

ミスを指摘されて
開き直られたこともあります。

 

大したことではなくても、
誠心誠意謝罪されたこともあります。

 

サービスを利用した側として、
いいお店だと思った対応や、
また行きたいと思った対応は

やはり自分も
身につけたいと思うのです。

 

お金をかけたり、
人を増やしたりできたら、

誰もが満足できるサービスを
取り繕うことができるかもしれませんが、

 

お金や人がいないと
できないというのも
芸がない話。

 

足りないものは、
創意と工夫で補うことを忘れない。

これは色々なことに通じるものが
あるかもしれませんね。

 

因みにP温泉の
ホテルの口コミも調べてみたところ、

あの私が最悪の経験をしたレストランが
高評価になっていました。

 

これは是非、
もう一度行ってみなければと思っています。

 

 

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